How to VFS(可変周波数)の設定(2)
VFSの簡単で素早くできるお勧めの設定方法を紹介しましょう。
はじめに注意しておくことですが、レーシングユースを目的とした場合、最適値を得る為になるべくレース時と同等のレベルにあるバッテリーとモーターを用意する必要があるということです。内部抵抗の上昇しているバッテリーやコンディションの低下したモーターでVFSを設定してしまうと、本末転倒なデータを採用することになってしまいます。540クラスのセッティングを27ターンストックモーターでやることも同様に意味のないことです。もちろん、VFS−1標準装備のアルティメイトショットキーとアルティメイトコンデンサーも忘れずに装着してください。また、VFSの設定前にはあるレベル以上にシャーシセッティングを合わせておくことも重要です。トラクションが路面にしっかりかからないと、パワーが上がっても感じ取ることが困難になります。
(1)まずはノーマルで走ってみましょう!
工場出荷時にVFS−1シリーズは各々の機種にオリジナルの周波数が設定されています。この状態で心持ちゆっくり目のスロットル操作で低、中、高速のスピードやトルク感を体感してみてください。
コースを2〜3周したら、感性が鈍らないうちに素早く次の周波数にトライします。
(2)フラットのまま、低、高周波の効果を体感しよう!
まず、標準の設定をセッティングデバイスにセーブしましょう。
一例としてここでは2.03KHzに設定します。FREQ CLEAR(周波数リセット)の後、 ALL SEL(オールセレクト)で周波数をいっぺんに書き換えてコースイン。先ほど同様の心持ちゆっくり目のスロットル操作で低、中、高速のスピードやトルク感を体感してみてください。コースを2〜3周したら、感性が鈍らないうちに今度は8.07KHzにトライしてみてください。
※このとき、バッテリーの性能に対して低周波過ぎる周波数設定をしたときには、素早いスロットル操作に対して車が息継ぎするようなガクガクッとした動きになる場合があります。これはバッテリーがモーターの過負荷に対して負けているために起こる、電圧降下現象です。今搭載されているバッテリーがいいバッテリー(高電圧で内部抵抗の低いもの)ならモーターの消費電流を調整するか、周波数をより高周波ドライブに再設定して負荷の軽減をします。
(3)低、高周波の効果を体感した、おいしい所を合体します。
低速では2.03KHzが良かった、高速では8.07KHz良かったとしましょう。THRT1〜10を2.03KHzに、22から32を8.07KHzにして間をまっすぐつないで見ました。この調整でまたコースを2〜3周走ってみましょう。あなたの感性はどう感じたでしょうか。このとき、中速のはっきりしたトルク感がなくなってしまった場合には中速に周波数のフラットな部分を作ってあげましょう。さらに2.03KHzの部分をより低周波にしてみたり、THRT1〜15まで伸ばしてみたりすることでも変化します。これらのセット変更を2〜3周毎に試してみてください。バッテリー1本がなくなるころには大分傾向と対策を掴むことができると思います。
(4)次のパックからは燃費とモーターやバッテリーの温度を気にして見ましょう。
上記方法で規定時間コースを周回してみます。モーター温度は低周波ドライブ過ぎると過負荷により熱くなりますし、高周波ドライブ過ぎるとスイッチング速度の上昇によりバッテリーが熱くなるようです。またバッテリー温度は低周波ドライブのときに熱くなってしまう傾向にあるようです。先ほど作ったおいしいセットをもとに、ALL SELで上下させたり、周波数の変化の幅を減らしたり増やしたりしながら、よりおいしい所を模索して行きます。
一度傾向を掴んでしまえば、あなたの普段使っているパワーソースにマッチしたおおよそのセットアップが見えてきていることでしょう。そして、ライバルに圧倒的なアドバンテージを得ることができるのです。